トッカリショの伝説
2016年10月25日
トッカリショの伝説
北海道の室蘭の母恋駅から僅かのところにありますこの室蘭八景「トッカリショ」は、ご覧のようにとても美しい所です。この「トッカリショ」はアイヌ語で、「アザラシがたくさん獲れるところ」という意味であることを、アイヌ語に詳しい富田隆さんという方からご教授頂きました。
この「トッカリショ」をご紹介くださったのは、北海道の菻茉さんです。菻茉さんもフォトの仲間です。北海道の自然の風景を素晴らしい構図で見せて下さいます。今回、菻茉さんにご相談しましたら、「トッカリショ」の画像を何枚も見せてくれまして、拝借の願いにも快諾して下さいました。とても嬉しく、有難い想いでした。
作詞のプロセスは、第1回(2016、5、20)から第10回(2016、8、10)までにアップしております。
作詞に取り掛かろうとして、迷いました。「トッカリショ」の美しい姿を、作詞という形でどう表現したらよいのか、何も考えが浮かびませんでした。数日して閃きました。「そうだ!このトッカリショの物語を創り、それを歌詞にすれば面白いのではないか?」というものでした。タイトルを「トッカリショの伝説」と致しました。
下書きなしで頭に浮かんだストーリーを書き進めていく作業は、とても楽しいものでした。2日間で、5章までと終章を書き終えました。途中、物語を書きながら、自分自身でストーリーに涙を流したこともありました。私は、短い物語を創るのは好きですが、自分で書きながら感情移入をし涙を流したのは初めてでした。
物語は文字数の制限もなく、勝手気ままに書き進めるのですからとても楽しい訳ですが、作詞はそうはいきません。18行程度の短い文章で物語を完結させなければならないうえに、字脚も揃えなければならないという約束事があります。物語を書くのと作詞をするのでは、天と地との差があるように私は思います。
この「トッカリショの伝説」は、5月23日と24日の「トッカリショの伝説」第2回目と第3回目に記してあります。ぜひお読みいただけましたら幸甚です。
トッカリショの伝説
1番 室蘭の母恋駅から僅かのところ
奇岩断崖の景勝地トッカリショは
アイヌの悲しい伝説が今も生きてる岬
蝦夷黄菅の黄色い花に守られた
岬に並んだ二つのお墓
2番 セルゲイに恋するイサエマツ17歳
沖に金色の魚を求めセルゲイひとり
いつしか嵐に巻き込まれ哀れ飛び交う小舟
守りたまえ愛する人に逢うまでは
その時一際大きな波が
3番 イサエマツ沖合い見つめて浜辺にひとり
祈るその姿面影消え老婆のように
ある朝岬によじ登る強い覚悟の乙女
夕暮れまで待って帰らぬその時は
月夜の飛沫に乙女は消えた
※ 繰り返し
アイヌの悲しい伝説が今も生きてる岬
蝦夷黄菅の黄色い花に守られた
岬に並んだ二つのお墓
せっかく完成はしましたが、この歌詞に曲を付けて頂くことは、作曲家の先生にとってとても難しいのではないかと素人の私は思っています。ですので、曲を付けて頂くことは現在考えてはおりません。菻茉さんには大変申し訳ないと思っています。出来ましたら、お詫びに北海道の別な作詞をし、曲・歌入れまでを完成させたいとも考えております。その時は菻茉さんの画像をお借りして、素晴らしい風景をバックにDVDを作成したいと思っています。