つくば市「小田城跡」
2022年01月10日
つくば市「小田城跡」
遅くなりましたが、皆さま明けましておめでとうございます。本年が、皆さまにとって、健やかで実り多い一年となりますよう祈念いたしております。
本日は、成人式の日でもあります。新しく成人になられました方には心よりお慶び申し上げます。
元旦の日は、午後から自宅近辺を散歩しました。この日は風が強く、東に向かって進むと前によろけました。帰りは、逆風で一歩づつ踏みしめて歩きました。家に着くまでの歩数は、15,200歩でした。寒さ対策ですが、厚手のジャンパーにマフラーと手袋、そして帽子を被りマスクを着けます。この出で立ちですと、寒さもあまり気になりません。
途中、石を彫った大きな鳥の姿がありました。
この季節の田舎の風景は、ほとんどが褐色で覆われています。白菜・キャベツなどの青物も見られますが、田んぼも含めて味気ない色彩ばかりです。筑波山が、青空に凛々しくそびえています。
本日は、先日8日(土)に訪問いたしましたつくば市の「小田城跡」をご紹介させて頂きます。
つくば市「小田城跡」
筑波山の麓の南側に位置したところに、小田城跡はあります。
小田城跡は、中世と呼ばれる鎌倉から戦国時代に、常陸国(現在の茨城県の大部分)南部に勢力を持った小田氏の居住跡です。小田城跡は、その歴史的重要性及び遺存度の特徴から昭和10年6月7日に国の史跡指定を受けました。指定面積は21万7千㎡と広大です。(つくば市教育委員会より)
広大な敷地には、池が復元されています。
奥の小高い山、宝篋山(ほうきょうさん)が見えます。地元の人は小田山と俗称で呼んでいます。この宝篋山には、鎌倉時代に忍性という僧侶が極楽寺を拠点に、布教活動のほか、貧しい人や病んだ人の救済に情熱を注いだという言い伝えがあります。忍性は大和国(奈良県)の生まれで、律宗の僧です。
城跡の外には、敵の侵入を阻む何重もの堀が張り巡らされています。
土塁と堀の間に見える茶色の部分は、「リンリンロード」というサイクリングロードです。このサイクリングロードは、土浦市から桜川市まで40kmの長さがあります。このロードの少し先から、両側に植えられた桜の木が延々と続きます。開花する季節は見事です。
この画像は、遺跡から推測された建物のレプリカです。江戸時代の城のような華やかさはありませんが、城内には敵の侵入を阻む、また翻弄するための数々の仕掛けが施されたことでしょう。
当時の城郭の様子です。沢山の曲輪が見られます。敵が攻めて来たときは、出入り口である虎口を封鎖する門が大きな役割を果たすのでしょう。弱肉強食のこの時代、小田城は何度も戦禍に見舞われました。
この画像は、発掘調査をしていた時の外景だと思われます。城跡敷地内の斜めの線は、1918年(大正7年)から1987年(昭和62年)までの期間を、土浦市と桜川市との間を走った「筑波線」の線路の跡です。不思議ですが、小田城跡のど真ん中を走っていました。余談ですが、私も中学生の時一度だけ乗ったことがあります。(画像は、説明用パネルからです)
小田城跡の資料館です。小さめですが、とても丁寧な案内文や説明と共に、沢山の出土品が展示だれています。無料駐車場も設けられていて、職員の方もとても親切です。私の質問にも、とても分かり易くお教え下さいました。
ビデオや関係図書が設置されている部屋から、展示室に入ると先ずこの出土品が目に入ります。
この出土品は、弥生時代のものです。今から2,000年以上も前から、ここ小田城跡辺りには人々が暮らしていたことになります。出土品からその時代を推測される学芸員の方たちの見識には驚くばかりです。
当時の人たちが生きていくための生活必需品などが多く出土されています。
出土品から、当時の生活が推し量れるのでしょう。大きな土器はほぼ原形を留めており、発掘調査をされた方のいかに注意深く、そして丁寧な作業をされたかが手に取るように伝わってきます。
今回、「小田城跡」を訪問させていただき感じたことは、私たちが生きているこの時間も、数千年の歴史から見るとほんの一瞬だということです。この時代も含めて、日本では領地の拡充を求めて20世紀まで戦争をしました。そして、そのたび毎に多くの尊い命が人が失われました。
日本では、戦後信じられないような豊かな生活が可能となり、そして医療の進歩により平均寿命も大分延びました。ですが、現在も戦争をしている国や、世界に武力で脅威を与えている国があります。21世紀のこの時代になっても、まだ世界は一つになれないのです。
世界には、優秀な能力を持った人が沢山いるのに、なぜ平和にならないのでしょう。日本には充分な食糧があるのに、飢えに苦しむ子どもたちがいる国がたくさんあります。どうしてなのでしょう。
かつて戦国時代を終えた日本が一つになったように、国境もなく一つの地球人の世界になるのには、あとどれ位の時間が必要なのでしょうか?