課題テーマに挑戦「霧降高原」第12回
2017年01月11日
課題テーマに挑戦「霧降高原」第12回
課題テーマに挑戦「霧降高原」もついに12回目となりました。第11回目で殆どこれで完成かと思っていたのですが、読み返してみるとどうも何か納得できないのです。繰り返し何度も読み返し、ふと思い当たることがありました。初めに前回の作詞を記してみます。
霧降高原哀歌
1番 あなたと歩いたこの高原に
辺り一面咲いていた
黄色い花の日光キスゲ
今日はひとりで歩きます
暦は夏の終わりを告げて
病葉が風に吹かれて
舞い落ちてます
2番 いのちの儚さただ恨みます
霧にあなたの横顔が
微笑みながら浮かんで消えて
私のこころを濡らします
水面に投げた小さな石に
赤とんぼ空に舞います
マツクラの滝
3番 あなたが優しく手を差し延べて
ふたり渡った丸木橋
あなたの愛に満たされていた
あの日は再び帰らない
どうして私ひとりを置いて
霧降の森はわずかに
色付いてます
この作詞の1番は私は充分すぎる程満足しております。とても良い雰囲気が出ており、この1番を起点として2番3番を作りました。それはそれで良いのですが、作詞は1番から3番まであり、それらが起承転結あるいは脈絡として生きてこその作詞です。私は1番だけが浮いてしまっているような気が致しました。それでは、人々に感動を与え共感を得ることなど不可能です。
何度も読み返して、あることに気付きました。
1番 あなたと歩いたこの高原に
辺り一面咲いていた
黄色い花の日光キスゲ
今日はひとりで歩きます
暦は夏の終わりを告げて
病葉が風に吹かれて
舞い落ちてます
2番 いのちの儚さただ恨みます
霧にあなたの横顔が
微笑みながら浮かんで消えて
私のこころを濡らします
水面に投げた小さな石に
赤とんぼ空に舞います
マツクラの滝
3番 あなたが優しく手を差し延べて
ふたり渡った丸木橋
あなたの愛に満たされていた
あの日は再び帰らない
どうして私ひとりを置いて
霧降の森はわずかに
色付いてます
下記のように①~③までを考慮しました。
①1番と3番の紺色のことばを入れ替えるべきではないかと気づいたのです。この作詞のタイトルは「霧降高原哀歌」とする予定です。1番の・・♪ 病葉が風に吹かれて 舞い落ちてます ♪・・とても寂しさ悲しさが伝わります。ですが3番の・・♪ 霧降の森はわずかに 色付いてます ♪・・も寂しさは表現されているかも知れませんが、起承転結の結のことばとしては弱いと思うのです。
作詞1番では状況説明が主ですから、「霧降高原哀歌」の哀しさを抑え気味で良い訳です。最後の結びのことばで、聴く方に対し寂しさ・悲しさの印象を与えることが出来れば、作詞のクオリティがより深くなります。その意味から1番と3番の紺色のことばを入れ替えてみることに致しました。
②1番の歌詞の最後の行の・・♪ 舞い落ちてます ♪・・及び歌詞2番の・・♪ 空に舞います ♪・・がそれぞれ舞うということばを使っています。一つの歌詞の中に、同じ漢字を2度使うことは避けなければならないと思うのです。意識的に使うことはもちろんありますが、この場合は意図的ではなく、偶然重複してしまったのですから、何とか別なことばにどちらかを入れ替えなければと考えました。
③歌詞2番の赤とんぼですが、この時期に高原にいるトンボはアキアカネと言い、里が秋になった頃体を真っ赤にして降りて来るといわゆる赤とんぼと呼ばれるそうです。ですので赤とんぼを止めてアキアカネと致しました。
以上のことを考慮しまして、次のように変更致しました。
霧降高原哀歌
1番 あなたと歩いたこの高原に
辺り一面咲いていた
黄色い花の日光キスゲ
今日はひとりで歩きます
暦は夏の終わりを告げて
霧降の森はわずかに
色付いてます
2番 いのちの儚さただ恨みます
霧にあなたの横顔が
微笑みながら浮かんで消えて
私のこころを濡らします
水面に投げた小さな石に
アキアカネ群れて飛びます
マツクラの滝
3番 あなたが優しく手を差し延べて
ふたり渡った丸木橋
あなたの愛で満たされていた
あの日は再び帰らない
どうして私ひとりを置いて
病葉が風に吹かれて
舞い落ちてます
いかがでしょうか?この入れ替えた作詞の方が、全体として寂しさ・哀しさをより表現できたように私は思います。今回も作詞の難しさを痛感させられました。ほんの僅かなことばでもおろそかにしては、良い作詞は生まれないと思ったからです。この作詞は、私の尊敬する筧哲郎先生に作曲・編曲をお願いしたいと考えております。
春までには歌入れも済んで、皆さまにご視聴頂けるかと思います。どうぞご期待ください。